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執筆者の写真イタガキ

家と性能と社会

更新日:2023年4月11日

世の中が、断熱のことばっかり言うので、

嫌になっている私です。


最初に言っておくと、

私は断熱もとても大切だと思っています。

全く軽視していないし、かなり真面目に考えている方だと思います。


これから書くことは、

家をつくる人にとって、

ちょっと参考になると思うので、


読んで損はしないかな……。


私的には知って欲しいこと。


まず、前段として

何故世の中は、断熱のことを言うようになったかと言うと、

すごくざっくり言うと、

①健康

(温熱環境を整えて、健康に暮らそう)

②エコ(co2削減)

(使うエネルギーが少なくなって、地球のためなる!)

③ライフサイクルコスト削減

(断熱や太陽光発電によって、

初期コストが上がっても、長く考えると

支出するコストが下がるという考え)


③の考えだと、

一定以上の断熱はかけたコストの回収にかかる時間のバランスが良くないということがある)



②エコ=③光熱費削減にはならないことがあるし、

目的が違うので、切り分けて考えています。



この目的自体は悪いことではないのですが、

いつの間にか、それを解決する手段が、

断熱しかないように情報操作されていませんか。。。



ファッションのトレンドのように、

その世界の偉い人たちに、トレンドを作られてしまっているような、怖さと気持ち悪さを感じます。。



特に、建築は一般の人には難しい。


大きな企業や世の中がその方向を向いて発信すれば、信じてしまいますよね。。




さて、

断熱とは、要するにお布団。

熱が逃げにくいお布団のほうが暖かいよねという簡単なお話しです。


ただ、どんなに良いお布団でも、

人の入っていないお布団は冷たくなりますよね?


家の場合、それでは良くないので、

多くの家は、その部分を電気の力で補うわけです。

お布団的に言うと、電気あんかです。



ただ、電気あんかも、エネルギーを使うので、

できるだけ使わないようにできたら、

より良いわけです。


お布団の中に、お湯の入った湯たんぽを入れよう!

という考えが、

蓄熱という考えです。


熱を蓄えやすい物体に、熱を蓄えておけば

人がいなくても冷めにくいというわけ。



じゃあ、どうやって湯たんぽ温めるの?


の部分を

太陽の熱を使おうよ。


という考えが、パッシブデザイン。

(✳︎パッシブデザインには、断熱と蓄熱も含まれるが、太陽熱利用はマスト)



ここまで全部やった上で、

足りない時だけ電気使えばよくないですか?



今の世の中、

お布団だけ良くしようということだけを言っている人が多すぎる。



これは、パッシブデザインについて

どの敷地環境でも同じ方法で叶えられるわけでないので、設計者の知識が必要であり、

メーカーさんが商品化できないという問題からでしょう。

(私の勝手な推測ということにしてください)


熱源が得られなければ、蓄熱の話にならないと。。


そうすると断熱の話ししかできないと。



売り手の理論で世の中がまわる。。

こういう世の中って、いかがなものか。。



ちなみに、

同じ断熱性能でも、

熱を蓄える蓄熱量には大きな差がりあり、

実際の暖かさには差が出ます。



ざっくり、

グラスウールよりもセルロースファイバーは

3倍ほど蓄熱性能があります。


まだ日本では普及していないですが、

ドイツで多く使われているウッドファイバーでは、

それよりもさらに蓄熱性能があります。



グラスウールや、発泡ウレタン系は湿気が抜けず、

夏は湿気が多い家になりやすいですが、

セルロースファイバーやウッドファイバーは、

湿気を外に捨ててくれるので、

湿度が低くなりやすく、涼しく感じます。



そういうことを語らず、(知らず?)


断熱、断熱、断熱!

って、どうなんですかね。


という気持ちになってしまいます。



断熱性能が、断熱しか売りの無い某メーカーよりコンマ幾つか低くて、

なにか問題ありますか?

そのお家より、少ないエネルギーで暖かいお家ですよ。。


ということが、あり得るということを

多くの方に知ってもらったほうがいいと思います……。



断熱しか言わないと、

窓が小さな、情景の無い家になってしまいます。


太陽熱利用を考えると、大きな窓も取れます。



一般の方が、難しい勉強をしたほうが良いとは思いません。


ただ、世の中に惑わされず、

きちんと知識を持った人を見つけてもらうと良いのではないでしょうか……。

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