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執筆者の写真イタガキ

家族の距離とスキップフロア

上里の現場がもうすぐ引き渡し。

仕上げ工事がだいぶ進んできました。

このお家は、スキップフロアで、

一階のリビングは、家族がくつろぐ。


中二階のセカンドリビングは、

遊んだり、デスクワークしたり。


そこを介して個室に行くような構成。





プランを考えるときに、

人と人のキョリ感をとても気にします。


どんなことをしているかによっても適切なキョリは変わるし、

同じ空間に居ても、向かい合うか、背を向けるかでも

心理的なキョリは変わると思います。


そんなキョリ感を家の中に配置していく中で、

高さ側の計画というのも、一つの大切な方法なのだと思います。



ほとんどの人は、家を考えるときに

家を横にスライスした、平面図

から考えていきますが、


私の場合、建物を縦にスライスした断面図を

同時に検討します。


断面を意識して初めて、そこに居る人と人の

目線の高さのデザインが生まれてくると思うからです。


床に座っている人と、ダイニングチェアに座る人の距離が近いと、

見下ろす、見上げる目線の高さの違いがすごくて気持ち悪いわけです。


キョリが離れると、その角度も緩やかになって許せるかもしれません。


1人で住む家は別として、

複数の人間が住む家に関しては、

その人と人のキョリや関係性が、

そこでの空間の居心地に関係することは間違いなく、


絵的に綺麗な家が、心地よいとは限らないのが面白いところ。


一件一件、どんな距離感が適切なのか

それぞれどんな寛ぎ方をされているのか、

そんなことを聞きながら、


家族に合ったカタチをつくっています。


今回は、その答えとして

スキップフロアという選択肢をとっていますが。

やり方も、答えも無限にあっていいのが建築の世界。



今日、造園屋さんに

『毎回、建物が違うから面白いよねー』と言われましたが、

違うものを作ることを目的としていると言うよりか、

その家族に寄り添って、

敷地環境に寄り添って

作ると、毎回違う答えになるのは当たり前かなという私の考え。


結果、アイデンティティのある建物になることが多く、そこを喜んでくれるお客さんが多いのも事実ですが。


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