さいたま市『境界の家』
ガルバリウムの外壁を貼りはじめました。
ガルバリウム鋼板の大波の波板は初めて使っていますが、なかなか良い。
波による光のグラデーションが、波がゆるやかな分、おおらかな優しい感じがします。
ガルバリウム鋼板という材料は、一時期
カクカクした角波というのが、外壁材として既製品
で流行って、
多くの人が使うようになって一般化した気がします。
ただ、この流行りというのが恐ろしいもので
流行ってしまうと
いずれ飽きられて、いつか『時代を感じる』ようになってしまう‥‥。
ガルバリウムという材料としては、長持ちするし
とても良い材料なのに勿体無い。
昔から、一部の人たちがやる
板金を手で折って加工するような作り方↓
(私もよくやりますが)の場合、
技術が無いと出来ないので
マネされにくく、流行り廃りに巻き込まれる心配が少ないですが、
反面、製品でないので人件費が割高になりやすいという面もあります。
少し前までは、ガルバリウムがそんなに高くなかったから、多少そこに人件費をかけてもよかったですが、
最近はガルバリウム自体の値段も上がり、頭を悩ませていました。
今回新たな挑戦として、
『昔からあったのに、割と多くの人に使われていない
既製品化された材料』を
上手に使って、かっこよく見せることを考えました。
昔からあった、金属の波板。
よく見る小波だと、工場のトタンにしか見えない時もありますが、
大波になっただけで表情を変えて、
使い方によっては品よくまとまるのでは‥‥。と。
しかも既製品化されているので、
そんなに高く無い。
カフェや公共の建築で見たり、
一部建築家の方が使っているのを見たことはありますが、今のところ流行る気配は無い。
多分、使い方が下手っぴだと、
いわゆる『トタン』に見えるのが怖くて、手が出せないのか‥‥。それか、まだ材料のポテンシャルが多くの人に気づかれていないのか‥‥。
本質的に良いものを、
流行りに巻き込まれない形で
きちんと美しくデザインしていくことで、
何十年経っても、
古くならない、むしろ良くなっていく建物をつくりたいものです。
時代ごとに、その時の事情によって、
工夫しながら、良い方法を模索して、
チャレンジしていくことが大切かなと思います。
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