『壁で繋がる家』2020年竣工
南北に繋がる壁と中庭の関係が、
プライバシーを守ることと、
空間に繋がりをつくることを同時に叶える計画です。
敷地環境を読み解いて、より良い空間をつくる方法を、より少ない手数で、わかりやすい構成で叶えるほど、その効果が高くなるように感じます。
そういう意識を初めて持った記憶は、
高校1年生の時、恩師から最初に読むことを勧められた
安藤忠雄さんの『連戦連敗』。
最初に読む本にしては難しすぎて、
半ば嫌になりながらも、わからない言葉を調べながら読んだ記憶があります。
(確か東京大学の教科書だったはず…)
その中で、
『コンセピチュアリズム』(アルファベットだったかカタカナだったか忘れた)という言葉が出てきて、
調べても意味が出てこない。
先生に聞いたりする中で、どうやら造語なのだろうと理解しました。
その頃は、設計競技に勝つためのテクニックとして、
コンセプトの強さとその表現方法について考えていましたが、
徐々に、実際の空間となった時に、
そのコンセプトと空間の結びつきの強さ、そのわかりやすい表現ということが、
空間性に多大な影響を与えると感覚的に理解するようになりました。
本当に良い建築、傑作建築というのは、
そこに立つと、その空間的コンセプトが伝わってくるような、
コンセプトの強さと
それをわかりやすく空間に表現する力強さを感じるような気がします。
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