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空間の伏線

先日、那須塩原方面に訪れたときに、

『那須塩原市図書館みるる』(設計伊藤麻理さん)

に立ち寄りました。

2020年竣工なので、

バブル期の建築とは違う予算感の中で、

それをまたデザインにしてしまおうという緻密な逆算を感じる建物でした。

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一階は、天井も仕上げず、鋼製下地のグリッドと、その上に見えるのは2階床のデッキプレート。

それだけ単体で見たら工場かなと思うところが、

後ろが透けるグリッド状の本棚が、

少しずつズレた配置で空間を構成していくことで、

あたかも、棚と天井のグリッドを合わせてデザインしているように見せる‥‥。


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よく考えたら、外観にもこの本棚のグリッドが出てきて、

外から中に入る瞬間から、意識がグリッドのリズムに支配されていたような‥‥。

上手な伏線だなと思いました。


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2階に上がろうと、階段に差し掛かると、

ここでいきなり、階段の手摺り子に縦線のリズム。

しかも、意味ありげに、一定ピッチで間隔に変化がある。


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2階に上がると圧巻の、天井にすのこ状の木貼り。

おや。。

この木のリズム、、、階段の手摺りとほぼ一致‥‥。

これもまた、階段を伏線に、2階は線のリズムでデザインされた空間性に変化させようという逆算なのですね。




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2階の空間の伸びやかさを担保するため、(そう勝手に解釈しましたが)

防火設備のための壁は、全て鏡張りになっており引きで見ると、壁がある感じがしない。


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ちなみに、2階の床は線柄のカーペット。

2階のカウンターは、線を出したいのか、合板木口を天板に向けた集積材。(強度出ず、割れていたのはご愛嬌か‥‥)

ディテールにも徹底されたコンセプトを感じ、気がつくと隠れミッキーを探している気分でした。

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